【愛奈】   「大丈夫。あれは、黒田になんの責任もない――」

そこまで言って、久坂は言いよどんだ。

言うか言うまいか悩む瞳が、また俺を見つめてくる。

【祐樹】   「どうした?」

【愛奈】   「……あー、ごめん。
        さっき、カッコつけようと思ってって言ったのにね、
        危うく……嘘をつくトコだった」


久坂はそういうと、俺をまっすぐと見つめ――、

【愛奈】   「ちょっと、黒田の責任です」

――泣くような、笑うような顔で微笑んだ。