【蛍】   「おめでとう、黒田祐樹殿。
        あなたには恋愛をする自由と、義務が与えられたわ」


【祐樹】   「……………………」

目の前のクラスメイトは、おもむろに訳のわからない
人たちに囲まれたかと思うと、これまた訳のわからない
ことを言い出した。

【祐樹】   「………………………………はい?」

【蛍】   「なかなか神経を逆なでする返事ね」

言葉のわりには、はぁ、と溜息をつくだけの彼女。

【祐樹】   「いや、だって……え? ん? 五百倉さん?
        なんか、恋愛の義務だ自由だって言ってたけど……
        どういうこと?」


【蛍】   「いいわ。説明してあげる。
       私はWLOという組織の構成員で、黒田祐樹――
       あなたを特定の人物と恋愛させるために派遣されたの」