【サラサ】
「? ……どうしたんですか?」
【祐樹】
「あ、いや……あはは……」
笑って誤魔化してみせるが、正直困った。
手持ちぶさたになった俺が、空になった紅茶のカップを
手の中で弄んでいると――、
【サラサ】
「――あ、紅茶ですね。今お代わりを淹れます」
気付いたサラサが、ベッドから降りようとする。
【祐樹】
「いや、いいって――」
【サラサ】
「ふふ、だめですよ。
ここでは祐樹さんがお客さんなんですから」
【サラサ】
「……って、何度言わせるんですか」