【星至】
「済みません会長っ、す、すぐに離しますっ!」


【天音】
「あっ………」


焦った天ノ川はすぐに私の事を解放しようとした。
………天ノ川が離れていってしまう………。
そう感じた途端、私は喪失感にとらわれた。
離れてはいけない。隙間を作っちゃいけない。きっと気持ちも離れる。
そんな突然に現れた感情に衝き動かされ、私は逆に天ノ川にすがりつく力を強めた。

【天音】
「だ、駄目よ天ノ川っ、恋人同士は、こ、これで良いのよっ!」


【星至】
「会長?」


 すると緩みかけた彼の腕に、いくらか力が戻ってくる。

【星至】
「良いんですか? こんなこと………」


【天音】
「恋人ごっこなんだもの、こ、これで良いのよ………」